🔧 前提条件
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Synology NAS に「Directory Server」パッケージをインストール済み(LDAP サーバーとして機能)
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Canon MF632Cdw がネットワークに接続済み
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管理者権限を持つアカウントで作業
✅ 1. Synology NAS 側の設定(LDAP サーバー)
① Directory Server パッケージのインストール
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DSM にログイン
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[パッケージセンター] → [Directory Server] をインストール
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インストール後、自動で LDAP サーバーが起動
② LDAP ドメインと Base DN の確認
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[Directory Server] を開く
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「一般」タブで次の情報を確認(Canon 側で使う):
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LDAPサーバーアドレス:NASのIPアドレス(例: 192.168.100.13)
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LDAPポート:389(標準)、LDAPSを使うなら636
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Base DN:
dc=example,dc=com
など -
Bind DN:
uid=admin,cn=users,dc=example,dc=com
など(管理者アカウント)
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③ ユーザーの追加(Directory Server 経由)
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DSM の [コントロールパネル] → [ユーザー] または [Directory Server] → [ユーザー]
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必要な LDAPユーザー(プリンター利用者)を作成しておく
✅ 2. Canon MF632Cdw 側の設定(LDAP クライアント)
① Webインターフェースにログイン
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プリンターの IP アドレスをブラウザで開く(例: http://192.168.100.200)
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管理者としてログイン(初期パスワードは「7654321」など。変更している場合はその値)
② LDAP サーバー設定
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メニュー:[ネットワーク設定] → [LDAP設定]
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次のように入力:
項目 | 設定内容例 |
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LDAPサーバーアドレス | 192.168.100.13(NASのIP) |
ポート番号 | 389(または LDAPS なら 636) |
通信方式 | 通常 または SSL(NASに証明書がある場合) |
検索開始ポイント(Base DN) | dc=example,dc=com |
認証方法 | 単純認証(Simple Bind) |
認証ユーザー名(Bind DN) | uid=admin,cn=users,dc=example,dc=com |
認証パスワード | NAS上のadminユーザーのパスワード |
検索属性 | cn (または uid ) |
検索フィルター | 空白のままでOK、必要に応じて (objectClass=*) |
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設定後、「接続テスト」を実行し、正常に通るか確認
✅ 3. 確認とテスト
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プリンター側でスキャン to LDAP アドレス帳や、LDAPユーザーによる認証が可能になっているかテスト
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DSM 側でログを確認してアクセス記録が残っているか確認([Directory Server] → [ログ])
🛠 補足情報
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Synology の LDAP サーバーは「OpenLDAP」ベースで、プリンターが LDAP v3 に対応していれば基本的に接続可能です。
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Canon 側で「LDAPS(暗号化LDAP)」を使う場合、Synology に証明書が必要になります([コントロールパネル] → [セキュリティ] → [証明書] で発行・設定)。
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ユーザー検索ができない場合は「検索属性」「Base DN」「フィルター」の見直しが必要です。
🚩トラブル時チェックポイント
現象 | チェック項目 |
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接続できない | NASのファイアウォール(389 or 636ポート開放) |
ユーザーが見えない | Base DN の構造や検索フィルターが正しいか |
認証できない | Bind DN、パスワードの打ち間違い、ユーザー権限 |